9/19(土)「ジョブズの「悟り」とブッダ/レオナルド・ダビンチの驚くべき共通点」開催

2020年9月19日(土)10:00〜12:00「ジョブズ&アップル研究会 第2期② 〜ジョブズの「悟り」とブッダ/レオナルド・ダビンチの驚くべき共通点〜」セミナーを開催しました。
次回、9月26日(土)10:00〜12:00開催予定の「ジョブズ&アップル研究会 第2期③ 〜ジョブズの志を継ぐとは、未来社会を創造することである〜」のお申込み、および第3期生(2020年10月期生)のお申し込みはこちらから。↓

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ジョブズが言った「Think Different(発想を変える)」とは、原点に帰って、ものごとの本質から考え直すということでした。そして、アップルの原点とは、「人間は道具を作る生き物で、道具によって生まれもっての能力を劇的に増幅できる。その道具を作るのがアップルだ」ということわけです。つまり、コロナ禍の今、私たちがジョブズから学んでやるべきことは、「生命進化の原点」に帰ること。そして「増幅(Amplify)」すること。この2つなわけです。次に重要なことは、「道具」というのは、目に見えるものだけでなく、言語とか宗教、法律、国家、学校などもまた道具であり、使い勝手が悪かったり、問題がある道具だとすれば、もっと使い勝手のいい道具、問題のない道具に取り替えたほうがいいということです。多くの人たちは今、命の危険が迫っているのに、自ら動こうとしません。これは、韓国地下鉄放火事件やセウォル号沈没事故で、正常性バイアス多数派同調バイアスによって動こうしなかった犠牲者たちのようなものです。『RADWIMPS 18祭 2018』で1,000人の若者たちと「正解」を歌い上げ、若者に人気のあるミュージシャン、野田洋次郎は、コロナ禍の今、「どういう世界に本当に生きたいんだっけ」ということを考え直すべきじゃないかと言っています。生まれてすぐ実の親に捨てられたことに思い悩んでいた若き日のジョブズは、禅僧 知野弘文と出会い、「誰もが仏性を備えている。だから、ありのままの自分でいいのだ」と教えられ、心の安定を得ました。そして、「自分は悟りを開いた。Apple Iがその証拠だ」と言って弘文に見せていたのです。この事実が明らかにしたことは、ジョブズにとって、アップル社とその製品サービスは、すべて仏教の「悟り」の実践だったということです。ブッダは、「人間は炎のようなものだ」と言い、「人間を成り立たせているのは五蘊である」と説きましたが、それらは最新脳科学が解明した大脳の活動と見事に一致しています。そして、人間とは、最先端AIが準拠する複雑系科学の「混沌から秩序が生まれる不思議な現象」のひとつとして考えられるのです。ブッダは「炎」に例えましたが、ダビンチは、これを「水」に例えました。ジョブズブッダ、ダビンチに共通するのは、人間を自然現象のひとつとして捉え、「炎」や「水」のように、たえず流れつつ平衡を保つ「動的平衡」として捉えていたということです。アラン・ケイの「コンピュータはコミュニケーション・アンプリファイア増幅器)である。あらゆる産業はコミュニケーション産業である」という言葉を発展させ理論化した「CAS(Communication Amplifier System)」理論は、国家や法律、マネー、資本主義も含め、あらゆる人間活動をコミュニケーション活動として捉え、何が何をどうアンプリファイア(増幅)しているか、していないかという観点から分析していきます。それにより、私たちがコロナ禍で直面している日本の国家、企業、学校の問題点がどこにあるかが明らかになり、どうデザインし直せばいいかが見えてくるのです。コミュニケーションには3つの形態があります。ひとつは「ゼロ・コミュニケーション(孤独死無縁社会)」。ふたつめは「一方向コミュニケーション(命令・いじめ・ハラスメント・詐欺・暴力・犯罪、命令社会)」。みっつめは「双方向(共感)コミュニケーション(幸福・豊かさ、会話社会)」。そして、「業績がいい悪い」「景気がいい悪い」「幸福度が高い低い」ということと「双方向(共感)コミュニケーション」量が多い少ない、ということの間には、明白な相関関係があるのです。そして、「CAS」理論は、最先端AIコンピュータにかけることによって、天気予報のように人間社会の動向を分析・予測できることを目指しているのです、と述べて講義を終えました。

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