「Appleの過去・現在・未来と電子出版」JEPAセミナーで講演

2018年5月22日(火)、JEPA(日本電子出版協会)で「Appleの過去・現在・未来と電子出版」というテーマで講演させていただきました。
『出版指標年報 2018年版』(出版科学研究所)によれば、紙の出版の市場規模は、過去最高を記録した1996年の2兆6,564億円から21年経った2017年、その半分の1兆2,863億円にまで縮小しました。ここ数年、特に雑誌の市場規模の落ち込みが激しく、雑誌をトラック配送するついでに書籍を配送してきた日本の出版流通は、書店の廃業スピードとともに、縮小を加速してゆき、あと20年で完全消滅する可能性が高く、「では、どうすればいか?」というテーマと、Appleの「Appleの過去・現在・未来」というテーマをからめてお話しました。
冒頭、「Publishing」と「出版」は違う。「Publishingは、パブリックにする、という意味で、紙に紐付いていない。そして、Freedom of Speachということで、お上に対する抵抗、中世から近現代へのパラダイムシフトを果たしたという意味が込められているのに対して、出版は、版を出す、版木で紙に刷って出すということで、紙に紐付いており、かつ、江戸時代に生まれた技術なので、お上に対する抵抗というニュアンスはない」という話をして、MacintoshDTPマシンとして辛うじて生き残り、IT Revolution(IT革命)≒Apple Revolution(りんご革命)という形で世界を変えてきた、というように話を展開。グーテンベルクの印刷革命は、500年前のIT革命で、出版が中世から近現代へのパラダイムシフトの原動力になったように、現代のIT革命においては、現状の「なんちゃってインターネット」ではない、これから生まれてくる桁違いにすごい「本格的なインターネット」=「電子出版」が、未来社会に向けた大きなパラダイムシフトの原動力になる。ケヴィン・ケリーの『<インターネット>の次に来るもの』の「かっこ付きインターネット」には、そういう「なんちゃってインターネット」という意味が込められており、ホロス2050未来会議( http://holos2050.jp/ )が目指しているのは、それに代わる「本格的なインターネット」で、今はまさに、その「なんちゃってインターネット」が踊り場に差し掛かり、暗礁に乗り上げている時期。「本格的なインターネット」にトライするチャンスは誰にも開かれており、ジョブズAppleの精神を引き継ぐものが、この「本格的なインターネット」を実現していくであろう、といったお話をしました。
当日の映像は、JEPAのサイトで公開されています。
http://www.jepa.or.jp/sem/20180522/
また、当日のプレゼンテーションは以下に公開されています。
https://bit.ly/2s7aMbG
ご関心のある方は、ぜひ、ご覧になってみてください。

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