」12/9 ITday 2020 「コロナ禍の今、民主主義の危機に対してITは何ができるか?」を開催しました

2020年12月9日(水)「Global Digicon Salon 006〜ITday Japan 2020/What can IT do for the democratic crisis in COVID-19 pandemic?(コロナ禍の今、民主主義の危機に対してITは何ができるか?))〜」を開催しました。
記録映像はこちらにあります。↓
■201209 JT Global Digicon Salon 006 ITday Japan 2020 ALL
「ITday」とは「IT革命記念日」のことです。「ITday Japan 2020」では、「IT革命の父ダグラス・エンゲルバートが1968年12月9日に行った伝説のデモンストレーション、「The Mother of All Demos(すべてのでデモの母」「The DEMO」から52年。一体、IT革命の現在はどうなっているのか? 現状のITの問題点はどこにあり、これからITは一体どういう方向に進んでいったらいいのかについて、ディスカッションをしました。
はじめに「Global Digicon Salon」世話人代表の高木利弘が、日本のクレイジーな「GoTo」キャンペーン、ルール無視の米国大統領選、独裁中国による香港民主派弾圧を取り上げ、世界中で民主主義が危機的状況に陥っていること。パーソナルコンピュータ、インターネットの源流となった「The DEMO」でダグラス・エンゲルバートが訴えていた「人々の知性を高め、その知性を高めた人々が恊働して人類が直面する深刻な問題解決をする」ためのオンライン・システム(NLS=oN-Line System)の未来ビジョンと対比して、現状のITがいかに人々の知性を低め、その知性を低めた人々の対立、分断を深刻化し、ヘイトとフェイクを蔓延させ、人類が直面する深刻な問題を解決するどころか、さらに悪化させているかを明らかにしました。そして、こうした現状を打開するためには、アラン・ケイが2018年の「IT25・50」シンポジウムの基調講演で強く訴えたように、既存の常識にとらわれず、物事をつながり、関連性で捉える「システム思考」の教育、トレーニングが喫緊の課題であること。ジョブズが晩年、最後の基調講演で述べた「 Heart Sing(心が歌う)Technology& Liberal Arts( テクノロジーと藝術)の融合」が必要であると強調しました。
続いて、基調講演では、元Google米国本社 副社長兼Google日本法人代表取締役社長の村上憲郎さんが、ユニバーサル・ベーシックインカムを提唱して米国民主党大統領選候補となったアンドリュー・ヤンの『普通の人々の戦い〜AI vs 人道資本主義〜』と、台湾のコロナ禍封じに活躍したIT担当大臣オードリー・タンの『デジタルとAIの未来を語る』を取り上げ、「市場は人間の共通目標や価値に奉仕するために存在する」「AIが開く新しい社会」「競争原理を捨てて、公共の価値を生み出す」「プログラミング思考」「科学技術で解決できない問題に対処するために美意識を養う」といった考え方の大切さを訴えました。
そして、パネルディスカッションでは、元米国『MACWORLD』編集長のDavid Ushijimaさんと、3人の日本トップクラスのAIスペシャリスト、AIREV株式会社代表取締役CTOの森岡幹さん、 URL(ユニバーサルリサーチラボ)代表の浦野真理(うらの まこと)さん、デジタルハリウッド大学教授メディアライブラリー館長でありデータセクション創業者の橋本大也さんが、それぞれの観点から「ITと民主主義」「AIと民主主義」について議論を深めました。
「Global Digicon Salon」では、来年も引き続きグローバル・スケールでのシンポジウムを開催し、来年12月9日には世界的規模の「ITday 2021」開催に向けて、さらなる啓発活動を続けていきます。「Global Digicon Salon」の活動への参加を希望される方は、世話人代表の高木利弘(Facebook ID:高木利弘またはToshihiro Takagi)まで、その旨、メッセージをお寄せください。

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