今こそWWWを再発明すべき時である_『月刊ニューメディア』2020年3月号

『月刊ニューメディア』2020年3月号の「2020巻頭メッセージ」に「今こそWWWを再発明すべき時である」という論考を寄稿させていただきました。
今年、2020年はWWW世界公開から30周年にあたるのですが、現在の世界的な政治・経済・文化的な混乱状態が示すように、決して「祝WWW生誕30周年」といったお祝いムードにひたれるような状況ではありません。実は、この世界的な混乱状況をもたらしている根本原因は、現状のWWWの根本的な欠陥に由来しています。したがって、今こそこの欠陥を訊し、WWWを再発明すべき時である、という論を展開しました。
具体的にどうすべきか?
第一に、次世代WWWは、現状の断片的な情報しか扱えないチラシ型WWWから「本」の構成要素を備え、人々の知識活動を支援するブック型 WWWに設計変更すべきである。
第二に、次世代WWWは、現状のフェイクとヘイトばかりが飛び交うゴミの山のようなものではなく、「本」と「ノート」、そして「会話」機能を大幅に強化したものでなければならない。
ちなみに、ここでいうブック型WWWとは、既存の「本」のようなスタティック(静的)な「本」ではなく、桁違いにエキサイティングで楽しく、かつ有益なダイナミック(動的)な「本」のことであり、アラン・ケイが提唱した「ダイナブック」の実現を目指すものである。
■『月刊ニューメディア』2020年3月号(2020年2月1日発売)

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なお、本稿は、昨年の12/9、御茶ノ水デジタルハリウッド大学で開催したダグラス・エンゲルバートThe DEMO 51周年記念シンポジウム「ITday Japan 2019〜IT監視社会か? IT市民社会か? それが問題だ〜」( http://itday.net/news/191209_itday_success/ )で発表した内容の一部をまとめたものです。こちらも併せてご覧ください。