見つめ合う2人の脳はシンクロしている_GIGAZINEより

「共感」も「感動」も「愛」も、この「脳のシンクロ」なんですよね。
アラン・ケイが「IT25・50」シンポジウム基調講演で語った「コミュニケーション・アンプリファイア・システム(CAS)理論」(http://it2550.net/news/190214_alankay_keynote_j2/ )のひとつの証左です。
 
■見つめ合う2人の脳はシンクロしていることが最新の脳神経科学により明らかに
 
>「対話脳神経科学(interactive neuroscience)」と名付けられたこの新しい分野について、科学系メディアScientific Americanがまとめ
>最も古い研究はアメリカのリード・モンタギュー博士が行った2002年の実験
>2人の被験者の脳を個別のMRIでスキャンしつつ、被験者らに会話してもらうというシンプルなもの
「ハイパースキャン」と名付けられたこの手法は、コミュニケーション中の2人の脳を観測することができるということの実証実験として当時注目を集め
>以降も「脳波計(EEG)」「脳磁図(MEG)」「NIRS脳計測装置」といった脳科学に関するさまざまな技術の発展とともに洗練
>同じことをしていても、1人の場合と複数人の場合とでは脳のはたらきが違うことを突き止めたのは、メリーランド大学で心理学を研究するエリザベス・レドケイ博士
ビデオチャットを介して誰かと会話している人の脳を観察
>コミュニケーション中の脳では報酬系や社会性に関連する部位が活性化
>自分が注目している物事を他人と一緒に見る「共同注意」の状態にある児童の脳は、1人でものを見るときと比べて、自他の区別をつかさどる「側頭頭頂接合部」という領域の活動が有意に異なる
>「視線」にも注目して研究を進めているのが、マックス・プランク精神医学研究所に勤める社会神経科学者であるレオンハルト・シルバッハ博士
>人を見つめたりその人から見つめ返されるというごく単純な動作でさえ、脳の報酬系と腹側線条体を刺激する
>脳が人の動作を認識する領域と、その行動から相手の心を理解する領域は、これまで想像されてきたよりもはるかに密接な関係にある
>日本の生理学研究所の定藤規弘教授らの研究
>複数人の脳を同時に測定可能なMRI装置(fMRI)を用いて見つめ合う2人の脳の活動を観測。その結果、その結果、アイコンタクトしている人同士は似たような脳の活動を示す
>アイコンタクトすることでお互いの脳が同期する
>会話することでも人の脳は同期する
プリンストン大学神経科学者ウリ・ハッソン博士
>2人の被験者のうち、最初の1人に物語を読み上げてもらい、これを録音したものをもう1人の被験者に聞かせ、2人の脳の活動を調べた結果、聞き手の脳は物語を聞いているうちに、読み手の脳と同じ活動を示すようになった
>脳の活動が似ていれば似ているほど、聞き手による物語の理解度も高い傾向にある
>個人の脳は、接している別人の脳によって突き動かされている
ニューヨーク大学のデビッド・ペッペル教授らの研究グループが学生らを対象に実験
>授業中の教師や生徒の脳が同期していることを突き止めた
>生徒の脳波が教師の脳波と似ていれば似ているほど授業の理解度が高い
>コミュニケーションをとる二者間だけではなく、より多くの集団においても、脳は同期していることが示唆
>対話脳神経科学が発展することで、ある精神病患者に対してどのセラピストが向いているかを予測することができるようになる